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イギリスのヘヴィメタルバンド、アイアン・メイデンによる16枚目のスタジオアルバムで、2015年9月4日にリリースされました。このアルバムはバンドにとって初のダブルアルバムであり、総再生時間は92分に及びます。アルバムのリリースは、リードボーカリストのブルース・ディッキンソンががん治療から回復する時間を確保するために遅れました。

アルバムの制作はフランスのパリにあるギヨーム・テル・スタジオで行われ、長年のプロデューサーであるケビン・シャーリーが手掛けました。バンドにとって特別な思い出がある場所で、過去にも「Brave New World」アルバムをここで録音しています。アルバムの曲は主にスタジオで直接書かれ、即座にレコーディングされるという、新鮮な感覚を大切にした制作プロセスが取られました。

特に注目すべきトラックには、「If Eternity Should Fail」や「The Red and the Black」などがあります。また、「Empire of the Clouds」という18分に及ぶ曲は、ディッキンソンがピアノを弾きながら曲を書き上げたもので、バンドの最長曲となっています。この曲は1930年の飛行船R101の墜落事故を題材にしており、その壮大さと音楽的な深みが評価されています。

アルバムは批評家から高い評価を受け、リリース後には全世界でツアーが行われました。この「The Book of Souls World Tour」は、35か国を巡る大規模なもので、バンドの音楽とステージパフォーマンスの精緻さを改めてファンに示す機会となりました。

アルバムの制作背景には、ディッキンソンのがん診断が大きく影響しており、彼が完全な回復を遂げるまでリリースが保留されていたことが知られています。彼はアルバム制作が完了した後、不調を感じて医師の診察を受け、舌に腫瘍が見つかったことが明らかになりました。これにより、彼は放射線治療と化学療法を受け、その後の回復過程で声の変化に直面しながらも、結果的にツアーを成功させることができました。

バンドの持つ創造性と音楽的野心が集約された作品であり、メタル音楽の歴史において重要な位置を占めています。

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