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ネイル・ヤングが1977年に制作しながらも当時未発表となっていたアルバムで、「AnalogOriginalSeries」の一環として2025年に世に出された作品です。アーカイブ公開に先駆けて「ArchivesVol.III」のディスク6としても発表されており、単体リリース前から熱心なファンによって注目されていました。本作はアルバムを二部構成で捉える試みがあり、「Oceanside」側はフロリダやマリブのスタジオでヤングがひとりでアコースティック演奏した5曲、「Countryside」側はナッシュヴィルでバンドを率いて録音した5曲という形式をとっています。

バンドにはベン・キース、ルーファス・ティボドー、カール・T・ヒンメル、ジョー・オズボーン、レヴォン・ヘルムらが参加し、「Countryside」面ではどこかホーディーン風味のカントリー・スウィングが感じられます。これらのバンド演奏もオリジナルのアナログ・ミックスで収録されている点が特徴となっています。

収録された楽曲の中には「Goin’Back」「HumanHighway」「FieldofOpportunity」といった、1978年に正式リリースされた「ComesaTime」にも収録されたナンバーが含まれていますが、本作ではそれぞれ異なるミックスまたは別テイクが収録されており、既知のファンにも新鮮な体験をもたらします。

音質面においては1977年当時のアナログ・テープに基づいたオリジナル・ミックスが忠実に残されており、デジタル処理を施さない「AnalogOriginal」シリーズならではの生々しい音像が魅力として挙げられています。高音質オーディオで楽しむ価値があると評価されていて、アナログ・ファンや音楽マニアの心を強くひきつける作品となっています。

評論面では本作が発表から48年を経て日の目を見るというストーリーも含めて多くの音楽メディアが高評価を与えています。英国「TheTimes」紙では「CaptainKennedy」や「Pocahontas」を含む楽曲構成に触れつつ、その叙情的な世界観とアコースティックの親密さを賞賛しています。「ClashMagazine」は「スローなストロークが中心となるカントリー調のサウンドに、フィドルのソロがアクセントを加えている」と記しており、全体を通してしなやかに響く音楽性を強調しています。

音楽的には「ComesaTime」と地続きのカントリーフォーク路線でありながら、やや実験的なアプローチも垣間見えます。アコースティック主体ながらダイナミックなバンド演奏が織り交ぜられ、ヤングらしい静と動の対比が楽しめる構成となっています。作品としては「LostAlbum」という概念を超え、独立したアルバムとしてのオリジナリティと完成度が高い点も評価されています。

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