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1975年10月17日に発表されたこのアルバムは、バンドにとって5枚目のスタジオ作品です。当時のラインナップはローエル・ジョージ、リッチー・ヘイワード、ポール・バレア、ビル・ペイン、ケニー・グラドニー、サム・クレイトンという、熟成期に入ったバンド体制で録音されました。

バンドの従来のスワンプ・ロック／南部ロック的な土台から少しずつ分岐し、ジャズ／ファンク的要素や複雑なアレンジが意識され始めた転換点ともいえます。特に、ビル・ペイン作の「Day Or Night」では展開の広さが際立ち、ポール・バレアらの作曲参加も目立つようになりました。タイトルは映画「The Last Picture Show」をもじったもので、ジャケット・アートは長年バンドのビジュアルを手がけてきたネオン・パークによるものです。

収録曲では、バンドの代表曲として定着した「Long Distance Love」や「All That You Dream」といったナンバーが含まれており、シングル・ヴァージョンならびに未発表別ヴァージョンがこの最新エディションでは聴けます。さらに、2025年10月24日にリリースされたデラックス・エディションでは、オリジナル・アルバムを最新リマスターし、デモやアウトテイク、ライブ音源を収録した拡張仕様として復刻されました。

このリマスター版の特徴として、1975年10月31日に米マサチューセッツ州ボストンのオーフィウム・シアターで行われたライブ演奏がCD3・CD4に収録されており、当時の演奏テンションやアンサンブルの熱がリアルに捉えられている点が評価されています。

このように、元々のスタジオ作品としての完成度に加えて、その後の資料的価値も高められた一作です。オリジナル盤が1970年代中盤というアナログ黄金期に制作されたという背景もあって、音質や演奏のリアルさ、バンドの成熟度という観点からも聴きどころが豊富です。メンバー各人の演奏やコーラス、アンサンブルのバランスが非常に良好で、バンド・ファンのみならず実力派ロック作品を探しているリスナーにも興味深い作品です。

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