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アメリカの著名なコミックアーティストであるAlexRossが手掛けた、米国版ポスター・ブック形式の洋書です。マーベル・コミックの悪役たちを描いた豪華アート作品集で、単なる解説書を超えたビジュアル重視の逸品です。

マーベルの代表的な「ヴィラン」たちが、ロス氏ならではの筆致で描かれた37点もの大型アートプリントが「着脱式／額装可能」な形式で収録されており、さらに導入文やロス氏自身のコメント、初期スケッチや予備イラストなどの素材も掲載されています。

この作品集の意義として、通常のコミック作品とは異なり、キャラクターを「動きの中で語る」のではなく「肖像画的に捉える」というアプローチが採られており、ロス氏の画風が持つ「写実的・英雄的」視点がヴィラン群にも向けられています。彼のスタイルは、従来のスーパー・ヒーロー作品における様式とは異なり、ノーマン・ロックウェルやジョージ・ぺレスの影響を示唆される写実主義のタッチであるとされます。

本書の構成をもう少し掘ると、まず扉・序文にはロス氏によるヴィラン像とマーベル・ユニバースにおける「悪役」の位置づけについての所見が記されています。続いて、37枚のポスターとして印刷された大判イラストが連続して展開され、最後にそれら全37点をまとめた特大の4ページガートフォールドも収録されています。

利用者視点でのポイントを挙げると、まずヴィラン作品群の「見どころ」として、単なる悪役集合ではなく、「アボミネーションからヴェノムまで」といった具合でマーベルの代表的なヴィランを幅広く網羅しており、マーベル・ファン、そしてアート作品としてのヴィラン像に興味を持つ読者双方に訴求する内容になっています。

次に「コレクション性」について、ポスター形式という収集・飾る用途に適した仕様であるため、ただ読むだけでなく壁面に展示するなどアートインテリア的な活用も可能です。さらに、ロス氏が通常ヒーローを描く際に見せる荘厳さ・リアリズムがヴィラン側にも発揮されており、「悪」という要素に美術的価値を与えている点も評価できます。

読者にお伝えしたい注意点として、本書はあくまでアート作品集であり、ヴィランの来歴やエピソードを詳細に解説するコミック解説書ではありません。したがって、キャラクターの生い立ちやストーリーを知りたい読者には別途コミック本や設定資料の補助があると理想的です。また、英語版で出版されており、日本語訳版が出ているかどうかは確認が必要です。

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