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パーソナルトレーナーである澤木 一貴氏と、循環器内科専門医・医学博士である國本 充洋氏の監修で「年齢や運動経験を問わず、体力を底上げする」ための実践メソッドを展開しています。

本書では「体力＝行動体力＋防衛体力」という二軸の体力観を提示しています。 行動体力を高めるための運動や習慣、防衛体力を高めるための体を守る動きや生活スタイルへの組み込みが、わかりやすく整理されています。具体的には「ジョギングや筋トレのような高負荷運動から始める必要はない」とし、階段利用や速歩き、家事の中で工夫する「ながら運動」でも体力向上が可能であると解説されています。

構成としては、まず運動や体力の仕組み、継続のための心構えや知識的な背景から入り、その後に誰でも始めやすいシンプルな運動・習慣の紹介がなされており「昨日より少し疲れにくく、元気でいられる日常をつくること」をゴールに据えています。

ポイントとして、本書が重視しているのは「日常生活の動きを変える」という点です。たとえばエレベーターではなく階段を使う、横断歩道を速足で渡る、掃除時に腰を落として下半身を使うなど、運動という意識を払わずとも「動く習慣」に変える提案がなされています。

さらに、精神的・思考的な体力との関連にも言及しており、運動によって身体のみならず「集中力・仕事の効率・フットワーク」といった日常のパフォーマンスも改善可能です。

好きだが風邪をひきやすい」「フットワークが重い」などの悩みを持つ方です。 すべての人に「体力おばけ」と称されるような疲れにくく動きやすい体を手に入れる可能性を提示しています。

運動に慣れていない方や、忙しくてまとまった運動時間を取れない方にとっても、無理なく始められる設計になっているため、「時間がない」「ジムに通えない」と感じている方にも適した一冊と言えます。

ただし、本書が提案するような「動きの習慣化」や「生活への埋め込み型運動」を実際に続けるには、自らの生活リズムを見直す必要があり、また「少しずつでも毎日動く」という姿勢を継続する意志が重要です。模式的な運動メニューをこなすだけで完了するものではなく、習慣化・定着化を意図している点に注意が必要です。

運動の負荷を極端に上げるわけではなく、むしろ「習慣にしてしまう」「日常に溶け込ませる」というアプローチが本書の特徴といえます。その意味で「一夜で劇的に変われる」という種類の指南書とは一線を画しています。

以上の点を踏まれば、体力の衰えを感じ始めた方、日常の動きをより生き生きとさせたい方、防衛力としての体力も含めて整えたい方には、有益な知見と実践のヒントが詰まっている書籍と言えます。日頃の「動く習慣」から見直したい方にとって、手に取りやすく、身近な変化を実感しやすい構成になっています。

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