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川内倫子による作品で、2001年にリトルモアから発行されました。第27回木村伊兵衛写真賞を受賞し、その独特な視点と表現が評価されました。日常のさりげない瞬間や自然の一コマを捉えた写真が収められており、鯉、雲、カラスなどの動植物や、目玉焼きのような日常的な対象が登場します。これらの被写体は、川内倫子のカメラを通じて、異なる光を放ち、新たな美しさを映し出しています。

川内の写真は、単純な日常の風景を超え、その中に潜む生と死、美しさと恐怖といった対照的な要素を浮き彫りにします。たとえば、一匹の蟻がスタイリッシュな姿に変身したり、グラスがキラキラと光る宝石のように見えたりする写真は、視覚的な魔法のように感じられます。また、川内はカーテンやタイヤなど、何気ないものから、見落とされがちな草花や虫たちに至るまで、様々な被写体を独自の感性で捉え、それぞれの存在感を強調しています。

この写真集のデザインは松本弦人が手掛け、B5変型のソフトカバーで128ページから構成されています。川内倫子の作品は、視覚的な詩としても受け止められ、彼女の柔らかながらも鋭い視点が、見る者の心に深く訴えかけるものとなっています。

その名の通り、うたた寝のようなほっとする瞬間を見つめることで、日常に隠された深い美を教えてくれる作品集です。読者にとっては、日々の生活の中で見過ごされがちな小さな美を再発見するきっかけを提供し、写真というメディアの持つ力を改めて感じさせる一冊です。

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