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この作品は1984年1月23日から27日にかけてアメリカ・カリフォルニア州バークレーのFantasyStudiosで録音されました。 レーベルは米国のMilestoneRecordsが担当しており、Rollins自身のソロ活動が一段落した後、ひとつのスタジオ作品として位置づけられています。 楽曲構成は全6トラックで、内訳はオリジナル４曲とスタンダード２曲というバランスです。「Mava Mava」「Wynton」「Tell Me You Love Me」「Kilauea」がRollins自身の作曲で、「I’m Old Fashioned」、「I’ll See You Again」がスタンダード扱いとなっています。

Rollinsがテナーサックスを吹くほか、トロンボーンに CliftonAnderson、ピアノ・エレクトリックピアノ・シンセサイザー類に MarkSoskin、エレクトリックベースに RussellBlake、ドラムに TommyCampbell が参加しています。加えてRollins夫人である LucilleRollins がカウベルで2曲にアクセントを加えています。サウンド面では、Rollinsが1950年代から好んでいたカリブ系カリプソのリズムや陽光を思わせる明るさ、さらには深みのあるバラード表現が融合しており、特に「I’m Old Fashioned」「I’ll See You Again」の2曲において彼のテナーがリラックスしながらも豊かなメロディラインを描いていると批評されています。 また、オリジナル曲ではやや実験的な構成もみられ、例えば「Wynton」は8分を超える演奏時間を確保し、各メンバーの間でインタープレイが活発に展開されています。

Rollinsにとって80年代初期はライブ活動が再び活発になっていた時期であり、スタジオ録音としてこの作品が示しているのは「自由な演奏家としての日常」という側面です。レコード批評家の Robert Christgau はこのアルバムを「1 0年以上ぶりに妥協なくアクセス可能な作品」と評し、Rollinsのカリプソ志向とスウィングの快活さが見事に表れていると指摘しています。なお、国内外のCD盤としては海外版や輸入盤形態を含み、上記のような録音内容とメンバー構成は共通していますが、ジャケット仕様やカタログナンバーに若干のバリエーションが存在します｡聞き手として注目すべきは、音の鮮度・録音の明瞭さと、Rollinsが中期以降も「サックス＝語る」という姿勢を保ち続けている点です。Rollinsをこれまで追ってきたリスナーには彼の変わらない芸風の証しを、初めて手にする人にはその豊かさと深みへの扉を開いてくれます。

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