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このＣＤは、Frank Sinatra が自身のレーベルである Reprise Records 時代に残した名演から厳選されたコンパイル・アルバムです。1962年から1984年にかけて録音されたトラックを対象としており、再録や別バージョンではなく「当時のリプレイズ時代の録音」で構成されている点が特徴です。収録時間はおよそ74分36秒で、全22曲を収めています。代表的な「Come Fly with Me」「Fly Me to the Moon」「My Way」「Theme from New York, New York」など、シナトラの「スタンダード」とも言えるナンバーが並びます。 特筆すべきは、「Body and Soul」という曲がこのアルバムで 未発表テイク として収録されている点です。このアルバムは2008年5月13日にリリースされており、リプライズ／ライノ・レコードから発売されました。アートワークも比較的シンプルで、タイトルどおり「Nothing But the Best」というコンセプトをそのまま反映させたベスト盤としての体裁を備えています。

この作品の意義として、過去のシナトラ作品の中でも「リプライズ期に絞ったシングル盤的なベスト・コレクション」という位置付けが挙げられます。音質面では、収録トラックはいずれもリマスター処理が施されており、「再録」ではなくオリジナル・テイクを忠実に伝える仕様となっています。カタログ整理やファンの再入門用コレクションとして非常に整備された内容です。加えて国内外の流通盤では輸入仕様となることや、欧州盤ではプロモーション用2枚組仕様が存在しているため、盤仕様の差異が少なからずあります。

トラックリストを見ると、ビッグバンド・ジャズやスウィング、ポップス的な趣も兼ね備えた構成であり、ジャズの「スウィング感」を楽しみたいリスナーにも適しています。例えば「The Girl from Ipanema」や「Summer Wind」など、ボサノヴァ／ラテン風味の曲も収録されているため、シナトラの多様な歌唱スタイルを味わうことができます。このＣＤは「シナトラ入門」「リプライズ期の名演を一枚で俯瞰したい」という目的には非常に適した一枚です。

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