青年コミックセット、洋書本セット等を取り扱い

物語の主人公は、長年夫・子どものために生きてきたアラフォー主婦・上条夏。ある日、「もっときれいなお母さんでいてよ」という娘の言葉に揺れ、社宅に引っ越してきた夫の部下・佐伯と出会い、日常の隙間に「女としてのときめき」を取り戻していく過程が描かれます。恋愛と家庭、母・妻としての立場、自分自身の「女」としての感情が交錯するストーリーです。

このセットの魅力として、まず「結婚・子育て・妻・母」というテーマに疑問を抱える大人の女性を主人公に据えている点が挙げられます。一般的には「妻であり母である私」という役割の中で、抑えてきた「私自身」の感情が揺れ動く瞬間がリアルに描写されており、読者が「妻・母の先」にある自分の願いや孤独、再発見と向き合うきっかけになりえます。さらに、作品タイトル「ふれなばおちん」が「触れなければ恋に落ちなかった」という意味を込めており、「出会い」や「触れ合い」をきっかけに揺れる心の動きを象徴的に伝えています。

描写面では、作者ならではの丁寧な心理描写と、派手な展開に頼らない日常の中の揺れ・きらめきが作品を支えています。タイトルが示すように、物理的な「ふれあい」だけでなく感情の交差・揺らぎが丁寧に積み重ねられ、読者は主人公の内面変化を「自分ごと」として受け止めやすくなっています。シリーズを通じて、家庭の中にある「私とは何か」という問いが深まり、11巻完結という構成ゆえに安心してラストまで追えるのも嬉しい点です。

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