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イルカと否定神学 対話ごときでなぜ回復が起こるのかの参考買取価格

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[裁断本]イルカと否定神学 対話ごときでなぜ回復が起こるのか

2024年10月に発売です。

[著者や編集者など]

・斎藤 環

参考買取価格は410円です。

2025年9月24日時点の参考買取価格です。

本書は大きく四部構成されています。第一部「否定神学をサルベージする」では、本書の根本的な問い「なぜ対話だけで回復が起こるのか」を提示し、「否定神学」という思想概念とラカンの精神分析、無意識の協働作業などを動員して議論を始めています。対話の中で言葉が持つあいまいさ、欠如、不完全性といった「否定的」要素が、過度な期待や過剰な意味付けを避けることに貢献すると論じています。第二部は「構造からプロセスへ」で、対話が単なる構造ではなく、動的なプロセスとして展開すること、逆説やシステム理論、バフチンにおける対話概念を引きながらプロセス思考を深めています。第三部「よみがえる身体」は、対話の場における身体性、隠喩、身体の思考性など、言語を超えた身体‐言語の交錯する領域を探る章が含まれています。第四部「逆説とコンテクスト」では、「他者」の逆説、心とはコンテクストにしか存在しないという視点、ベイトソンの学習理論を用いた文脈の転換の可能性、対話がどのようにしてコンテクストを揺らしうるかが論じられています。全体を通じて、著者の過去の思想的蓄積が結集されています。

「回復=治療」の枠を前提とせず、むしろ「ケア」としての対話を重視している点が特徴的です。目的や治療結果を先取りしないこと、不確実性を抱えたままであることを許容することがきわめて重要とされています。無条件の受け入れという態度が、閉じた語りや病的構造を開かせ、言語と身体の重層的働きを通じて変化を引き起こすとされています。ここで、言語や意味の限界を指す思想的モチーフが用いられています。神を言い表せない/形容しえないという否定の連続によってかえって言葉の働きや「他者性」の余白が露わになるという論理が、対話と回復の間に横たわる根本的な構造として扱われています。イルカの比喩やベイトソンの動物実験・コミュニケーション研究などが言語・意味・文脈という条件を問い直すための象徴的な素材として登場します。

本書は「対話ごときでなぜ回復が起こるのか」というタイトルそのままに、「対話のほんとうの力」を問い直す思想的実践書であり、言葉・その他者性・身体性といった複雑な領域を手がかりに、回復とは何かを再考させる内容である点が最大の価値であると考えます。

裁断本、自炊コミック等の買取について

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