考古学書や中世史や古代小説や歴史学等が売れる

北方謙三による歴史小説であり、壮大な物語「チンギス紀」シリーズの第六巻として位置づけられています。本作は、モンゴル帝国の創始者チンギス・カンを中心に据え、金国とタタル族の激しい決戦を描いています。テムジンが父イェスゲイの仇敵であるタタル族に復讐するため、金国の要請に応じて出兵する様子が描かれます。テムジンとケレイト王国のトオリル・カンは、一万五千騎の兵を率いてタタル族との戦闘に臨みますが、モンゴル族内のジャムカは金国の要請に応じず、草原の民としての独立を保とうとする姿勢を見せます。

北方謙三は、この作品でモンゴル高原の壮大な景色と、複雑に絡み合う部族間の政治的な策略を生き生きと描写しており、読者に深い印象を与えます。物語はウルジャ河での激しい戦闘を経て、テムジンとジャムカの運命が大きく動き出す場面でクライマックスを迎えます。

北方謙三自身も多くの文学賞を受賞しており、その作品は歴史小説のジャンルで高い評価を受けています。彼の作品は、歴史的な事実に基づきつつも、人物の心理描写や対話を通じて、その時代の空気を色濃く反映しています。

また、「チンギス紀」シリーズは北方謙三の代表作の一つであり、全17巻から成るこのシリーズは、チンギス・カンの一代記を詳細に描出している点が特徴です。本巻でも彼の筆致によって、歴史の大河を新たな視点から読み解く試みがなされています。

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