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おれは一万石 33 -火中の富札の参考買取価格

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[時代小説]おれは一万石 33 -火中の富札

2025年7月に発売です。

[著者や編集者など]

・千野隆司

参考買取価格は300円です。

2025年7月31日時点の参考買取価格です。

寛政四年七月、帰藩直前の高岡藩主・井上正紀が主人公として登場する第33巻「火中の富札」では、麻布笄橋付近で発生した江戸の大火が物語を揺るがします。翌朝、焼け跡で一枚の富札が発見され、これがやがて連続事件へと発展していきます。藩主としての重圧、参勤交代を控えた出費への危機感、火事という人災──こうした背景が複雑に絡み合うなか、正紀は藩内外の思惑や陰謀に巻き込まれていきます。物語は緊張感とともに、幕府の事情、江戸町民の日常、藩士たちの苦境を繊細に描写しながら進行します。江戸の日常を切り取った描写と、武士たちが抱える内向きの政治ドラマとの対比が読者の関心を引き付けます。江戸町人や藩の財政問題、それを巡る駆け引きが息づいており、推理と人間ドラマが絶妙に混ざり合うつくりになっています。

著者・千野隆司はシリーズ全体を通じて土着の人物感や歴史的背景の解像度が高いことが特徴ですが、この巻では特に大火後の江戸町の様子を生き生きと描くことで、従来以上にリアリティが強まりました。双葉社の文庫シリーズとして安定した評価を得ています。前巻とのつながりもありながら、独立した導入構成になっているため、シリーズ未読でも本巻から入って楽しめるよう意識されています。

本巻の舞台である寛政四年という時代は、藩政改革や天明・寛政の大飢饉など社会不安が続いた時期で、作者はその時代背景を事件の中に自然に注入しています。火事という混乱を経て藩主が拾った「富札」が象徴するように、乱れた時世に潜む欲望や権力欲が事件の核心となります。富札はただのくじ券ではなく、人々の「運」「欲」「欲望の裏返し」として機能します。

登場人物は藩主はもちろん藩士、江戸町方関係者、火元周辺の町人まで多層的ですが、作者の筆致によりそれぞれに人生の重みがあり、単なる事件小説にとどまらない厚みがあります。推理の鍵を握る伏線の張り方と、幕末前夜の世情描写とのバランスが良く、読み進めるうちに人物への共感も深まります。長編ながら展開の濃密さがあり、勢いがあるのに陰影も感じられる、バランスのとれた時代小説に仕上がっています。他の時代劇ものでは味わえないリアルな江戸と藩の二段構成の描写により臨場感が高く、一読の価値があります。

時代小説、歴史小説等の買取について

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