講談社選書メチエ、黄帯、新潮文庫等を買い取り

ジョン・ロールズによるハーバード大学での講義録をまとめたもので、彼の最後の著作とされています。政治哲学の歴史において重要な理論家たち、特にホッブズ、ロック、ルソー、ヒューム、ミル、マルクスを取り上げ、リベラリズムの中心的な特徴とその政治的構想を深く分析しています。ロールズはこれらの思想家たちの政治理論を詳細に解説し、それぞれの社会契約論や政治的権威、自然法、一般意志などの概念を通じて、彼自身の「公正としての正義」の理論とどのように結びつくかを探求しています。

書籍は、それぞれの理論家が提出した政治哲学の核心的な問題に焦点を当て、ロールズ自身の哲学的立場からの洞察を加えながら、各章でその理論を再評価しています。例えば、ホッブズの権力と主権に関する考察、ロックの自然法と政治義務、ルソーの一般意志と社会契約、ヒュームの人為的徳と道徳的義務などが詳しく論じられています。これにより、読者は近代政治哲学の進展とそれが現代の政治理論にどのように影響を与えているかを理解することができます。

この書籍は岩波書店から出版され、サミュエル・フリーマンによって編集されました。翻訳は齋藤純一、佐藤正志、山岡龍一、谷澤正嗣、高山裕二、小田川大典によるもので、日本の学術界における政治哲学の理解を深めるために貢献しています。

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