文楽ビデオ、落語新書類が査定可能

落語家・立川志の春によるビジネス書です。イェール大学卒業後、三井物産に入社し、その後落語家へと転身した著者が、落語の技術や思想をビジネスや日常生活に応用する方法を提案しています。

著者は、落語の「まくら」、つまり演目に入る前の雑談や導入部分の重要性を指摘し、これがどのようにしてプレゼンテーションやコミュニケーションに応用できるかを解説します。落語の世界では、相手への寛容さや多様性を受け入れる心構えが重要視され、これらはグローバル化が進む社会においても欠かせない考え方です。

また、ビジネス書風ではありますが、著者自身の経験をもとに、落語がいかに「役に立つか」について語られています。落語家になるまでの経緯や、落語家として学んだこと、ビジネスで使える「ワザ」についても言及されており、リズムや間、調子を利用した話し方の基本から、話題展開の注意点、日常会話で使える「ネタ」のフレームまで、役立つ知識が豊富に紹介されています。

ただ「話し上手」を目指すだけでなく、広い意味での「話す」行為そのものを再考する機会を提供してくれます。落語がアートとサービスの間にあるものとして位置づけられている点も特徴的で、実際に落語を体験してみることで、その真価を実感できるかもしれません。

著者の落語家としての経歴や、ビジネスと落語の融合に関する洞察は多くの読者にとって興味深い内容となっています。

落語を通してコミュニケーション能力やプレゼンテーションスキルを高めたい方、異色の経歴を持つ著者の人生観に興味がある方には特におすすめの一冊となっています。

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