能楽入門書、落語文庫本類を査定

落語の舞台になった地を巡り、その地の歴史や背景に触れながら、古典落語の傑作三十一話を深く味わうためのガイドブックです。本書は矢野誠一氏によって書かれました。矢野氏は、1935年東京生まれの演劇・演藝評論家で、文化学院卒業後、新劇の裏方や「精選落語会」のプロデュースを経て執筆活動に入り、多数の賞を受賞しています。

本書では、「蔵前駕籠」、「船徳」、「品川心中」などの古典落語の中から選ばれた三十一話の舞台を訪ね、落語の聞きどころや味わいどころを探求しています。読者は落語の舞台となった場所の歴史や文化背景に触れることで、落語の魅力をより深く感じ取ることができます。

本書には矢野氏の深い知識と愛情が込められており、落語初心者から上級者まで幅広い読者に楽しんでもらえる内容となっています。古典落語の話自体はもちろんのこと、その背景にある江戸や昭和初期の東京の風情、変遷を通じて現代に繋がる日本の文化や社会についても学ぶことができます。

1964年の東京オリンピック後の東京を訪れたエッセイとしても評価され、落語の舞台となった地を巡ることで、過去への憧れや現代とのつながりを感じ取ることができる作品です。また、矢野氏の文体や描写には、落語を聴くことの楽しさや、それを通じて知ることのできる東京の歴史への敬意が感じられます。

落語の舞台を巡る旅を通じて、古典落語の深い味わいと、それが生まれた背景にある日本の文化や歴史を学びたい方におすすめの一冊です。

落語CD、歌舞伎DVD等の買取について

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