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演劇批評家渡辺保による歌舞伎に関する批評集です。本書では、2004年7月から2008年12月にかけての劇評が収録されており、歌舞伎の舞台を深く掘り下げた内容となっています。渡辺保は、その鋭い観察眼と厳しい批評で知られ、歌舞伎の世界において重要な声の一つとされています。歌舞伎の魅力だけでなく、その問題点にも言及し、その瞬間瞬間を永遠に留めるような歯切れの良い賞賛と苦言を通じて、歌舞伎の深い理解へと導く劇評を展開しています。

渡辺保自身は2000年より、新聞などで厳しいことを言うと興行元から圧力がかかることを避けるために、自身のウェブサイトで歌舞伎批評を始めました。これにより、より自由に、そして深い分析と批評が可能となり、歌舞伎の魅力や問題点を、より幅広い視聴者に伝えることができるようになりました。

彼の批評は、ただの表面的な評価に留まらず、演出や演技、歌舞伎の伝統や革新について深い洞察を提供し、読者に歌舞伎のさらなる鑑賞の奥深さを教えてくれます。長年にわたる研究と批評活動は、多くの賞を受賞し、歌舞伎だけでなく、日本の伝統芸能全般への理解を深める上で大きな貢献を果たしました。

歌舞伎を愛する人だけでなく、演劇や日本の伝統芸能に興味を持つ人々にとっても価値ある一冊となります。

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