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管理職という肩書きを得た時に必要となる視点と実践を網羅する一冊です。著者吉原俊一氏は中小・ベンチャー企業での実務経験および長年のリーダー研修を通じて得た知見をもとに「問題解決」「部下とのコミュニケーション」「部下育成」という三本柱に整理して解説します。

まず第１章ではリーダーに必須な問題解決能力を「12の視点」と「ステップ」「手法」という構成で紹介します。これはPDCAなどの基本を踏まえた実務向けのフレームワークとして、現場で迷わず対応を進めるために役立ちます。続くコミュニケーションの章では、動機付けに効果的な「ストローク」理論、自分理解を深めて信頼を得る話し方・聴き方のスキルを丁寧に解説します。部下育成の章ではOJTの基本から育成計画、やる気を高める関わり方、ほめ方・叱り方、そして職場に学ぶ風土を築く方法に至るまで、実践的なスキルセットが詰め込まれています。

さらに第４章ではリーダーとしての資質を「11の視点」にまとめ、第５章では1960年代以降に提唱されてきたリーダーシップ理論やキャリア理論を紹介し、それらを日々の業務に活かす応用法を提示します。理論だけにとどまらず「日常業務に活かせる」観点での解説になっており、実務への落とし込みにも配慮されています。

実際に読んだ人からは部下との関係構築や自分の役割理解に役立ったという声が多く「管理職としての基盤を確立できる実用書」「人間開発に焦点を当てた意義深い一冊」などの評価が寄せられています。ベンチャーや中小企業で管理職になったばかりの方、チームリーダーや将来の幹部候補として成長を目指す方には特に響く構成です。

要点を言えば、単なる立ち回りや表面的ノウハウにとどまらず、「人間力」を軸に据えて変化の中でもぶれない管理職像を描いている点が特徴です。それぞれの章には現場の実例やチェック項目が多く挿入されており、自分の状況に即してセルフレビューしながらリーダーとしての軸を育て、自信を高める構成に仕上がっています。

管理職に昇進しただけで急にリーダーになれるわけではありません。これからリーダーとして自分のやるべきことを整理し、部下や組織との関係性を意識しながら進めていきたいと考えている方にとって、本書は応用性も高い指南書といえます。

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