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17世紀18世紀フランスの作曲家フランソワ・クープランによる室内楽的合奏曲集「新しいコンセール」を、当時の古楽奏法で現代に甦らせた演奏を収めた2枚組CD録音です。名ヴァイオリニストであるシギスヴァルト・クイケンを中心としたクイケン一家と、古楽界で著名な演奏家たちが参加するアンサンブル共演が特色です。

収録内容は、第5番第14番のうち選ばれた8曲が2枚に分けて配され、第9番には標題「愛の肖像」という副題が付されている点が聴きどころです。第1ディスクには第5～第7番および第9番、第2ディスクには第10～第12番と第14番が収録されており、すべての曲は室内合奏で演奏されています。

1972年および1974年にスタジオ録音されたセッションを基に構成されたもので、当時の古楽演奏の研究成果を反映しています。

演奏において注目すべきは、クイケン一家の一体感と音楽的対話の深さです。ヴァイオリン・パートは柔軟に表情を変えることができ、ときに優美に、また軽やかな躍動感を示します。オーボエやチェンバロの伴奏が、和声的支えや時に対旋律的な語り口を加えることで、クープランが意図した室内合奏の微妙な均整を豊かに表現しています。録音バランスも比較的明瞭で、各声部を明確に聴き分けながらも合奏のまとまりを感じさせる仕上がりです。

クープランの「新しいコンセール」全体を網羅するものではありませんが、その中でも代表的かつ表現効果の高い作品を選び、演奏・録音ともに古楽愛好家にとって魅力的な入り口を提供する作品と言えます。特にクイケンの演奏ファン、あるいはフランス・バロックの室内楽をすでに聴いている方には、その細部のニュアンスや演奏解釈を比較する上で価値ある録音になります。

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