チェスゲーム、オセロ雑誌、将棋ゲーム類を取り扱い

令和時代の最新定跡書として登場した出題形式による「次の一手」演習を中心に序盤の急所を効率よく学べる構成です。旧版「ひと目の定跡」をベースに、現代将棋の主流戦型をカバーする内容に改訂されています。目次には相掛かり、角換わり、矢倉、雁木、横歩取りをはじめ、居飛車力戦、四間飛車対急戦・持久戦、三間飛車、石田流、ゴキゲン中飛車、角交換振り飛車、右四間飛車、振り飛車力戦、相振り飛車とバラエティ豊かな15章が並びます。全体で200問の出題があり、ヒントと難易度設定がついていることから、級位者から初段前後まで安定したステップアップが可能との声もあります。解説は「一問一答形式」で、手筋の意味や戦型理解を促す工夫が施されています。

本書執筆にあたっては将棋書籍編集部が中心となり、オンライン講座も開催されました。女流二段の北尾まどか氏やインストラクター水留啓氏が、角換わりや四間飛車対急戦、横歩取り、相振り飛車などを解説し、電子版には収録されなかった変化手順や質疑応答を交えて学習を補ってくれます。このように書籍と講座の併用で、より実戦に即した理解が得られる構成になっています。

判型は文庫サイズで持ち歩きやすく、全440ページとボリュームも十分です。本書の魅力は多くの戦型を「次の一手」形式でまとめている点です。実戦で遭遇しやすい局面をコンパクトに体験しながら、なぜその手が最善なのかを繰り返し頭に刷り込むことで、定跡の記憶が自然と定着します。

利用者からは「級位者～初段前後のオールラウンダーには必須」「右四間飛車の舟囲い・エルモ囲い両方が解説されて痒い所に手が届く」との評価もあり、序盤力の底上げを目指す棋士に好評です。電子書籍版も展開中で、PC・タブレット・スマホで利用可能、固定レイアウトな反面、文字拡大やハイライト、辞書参照などはできない仕様であることが注意点として挙げられます。

本書は「無理なく定跡を覚えたい」「序盤のニガテを克服したい」と考える棋士に対して、実戦型の問題によって自然に定着を促す設計が評価されています。講座との相乗効果も見逃せないポイントです。読了後に「序盤の基盤が強化された」と実感できる、実践重視の一冊と言えます。

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