赤帯、筑摩選書、光文社古典新訳文庫等を即査定

日本の稀代の出版人、岩波茂雄の生涯と業績を描いた伝記であり、その友人であり哲学者の安倍能成によって書かれました。岩波茂雄は、1881年から1946年までの生涯にわたり、高い理想と情熱を持って時代と向き合い、出版事業に邁進した人物です。本書では、岩波の生い立ちから事業の成功、私生活までが、温かな人間理解と忌憚ない批判精神をもって描かれています。

岩波茂雄の生涯は、出版業界だけでなく、日本の文化や教育にも大きな影響を与えました。1913年に岩波書店を創業し、日本の読書文化の向上と普及に努めた岩波は、岩波文庫の創設者としても知られています。広範な知識を一般の人々にも提供することを目的として1927年に創刊されました。

岩波茂雄伝の中では、彼の私生活も紹介されており、趣味や家族との関係、そして人生の終焉に至るまでが綴られています。特に、彼の趣味であった登山や旅行、建築に関する情熱は、彼の人物像を深く理解する上で貴重なエピソードとなっています。

岩波茂雄の遺産は、文化勲章の受章や貴族院多額納税者議員への選出など、彼の生涯を通じての貢献を物語っています。1946年に熱海市で逝去した後も、彼の遺志は岩波書店を通じて今日もなお受け継がれています。故郷の諏訪市立信州風樹文庫には、彼の遺した多くの図書が収蔵され、彼の功績を今に伝えています。

岩波茂雄伝は、出版業界のみならず、日本の近代化に貢献した一人の人物の生涯を通じて、時代の変遷とともに進化する文化のあり方を浮き彫りにします。安倍能成によるこの評伝は、岩波茂雄の人となりとその時代を深く理解するための重要な資料と言えます。

学術書、岩波文庫等の買取について

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