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ピカソの初期の青の時代からキュビスム、古典への回帰、そして晩年までの彼の芸術的変遷を深く掘り下げた展覧会図録です。ポーラ美術館とひろしま美術館が共同で編纂し、青幻舎から発行されました。ピカソの青の時代の作品からスタートし、彼がバルセロナやパリで制作した重要な作品群を紹介しています。

ピカソは、1900年代初頭に「青の時代」と呼ばれる期間を経て、彼の作品には深い悲しみと孤独が色濃く反映されています。特に、貧困や孤独、死といったテーマが彼の青みがかった色調の作品に織り込まれており、この時期の代表作として「酒場の二人の女」などがあります。

さらに、彼はパリでジョルジュ・ブラックと出会い、キュビスムの共同創始者となりました。物体を幾何学的な形で表現し、絵画に新たな次元をもたらしました。その後の古典回帰期には、「マリー＝テレーズの肖像」のような作品を通じて、より古典的な形式へと回帰しています。

最新の科学調査に基づくピカソの作品分析が紹介されており、火星探査にも使われる技術を用いて彼の作品の下絵や中間層を調査することで、これまで明らかになっていなかった制作の秘密に迫っています。

全272ページにわたり、ピカソの芸術的探求を網羅しており、その研究成果や分析を通じて、ピカソの多面的な芸術性とその進化を理解するための貴重な資料となっています。

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