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井上有一の生誕100年を記念して開催された回顧展の公式カタログです。金沢21世紀美術館で2016年1月2日から3月21日まで開催され、井上有一の1955年から1985年にかけての30年間の芸術活動を網羅しています。井上が前衛書道のパイオニアとして、伝統的な書道の枠を超えた実験的な作品を生み出し続けた時期に当たります。

井上有一の初期から晩年にわたる代表作約210点が展示され、彼の芸術の全貌を紹介しています。カタログには、美術批評家の海上雅臣や文化人類学者の今福龍太など、各界からの論客による井上有一論が収録されており、彼の芸術性に対する深い洞察を提供しています。また、デザインは宇平剛史によるもので、ハードカバー・352ページにわたって彼の作品とその影響を詳細に解説しています。

1951年に自身の書道作品の初展示を東京で開催して以来、国内外の多数の展示会に参加し、日本とアメリカの抽象美術、書と画像、第二次世界大戦後の日本美術など、様々なテーマのもとで作品を発表してきました。彼の作品は、1954年にはニューヨークの現代美術館で展示されるなど、国際的な認知を早くから得ています。

井上有一の作品は、京都国立近代美術館や東京国立近代美術館など、多くの美術館に所蔵されており、彼の革新的な書のスタイルと表現力は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。彼の作品は、書道の伝統的な技法を基にしながらも、それを自由自在に操り、新たな表現の可能性を追求したことで知られています。

井上有一の輝かしい芸術生活を振り返り、彼の作品が現代美術に与えた影響を再評価するための貴重な資料です。このカタログを通じて、読者は井上有一の創造性とその芸術的遺産を深く理解することができます。

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