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スラッシュ／ヘヴィメタル界において不屈の存在であり続ける米国バンド Overkill がドイツ・オーバーハウゼンで行ったライヴを収録した映像作品です。バンド自身によれば、「この夜、一晩限りでの録音および収録が実現したライブ」であると説明されています。

収録内容として特筆すべき点は、バンドの初期作品であるアルバム「Feel the Fire」と「Horrorscope」を、まるでライブ・セットとして連続して演奏する構成が採られているところです。公式サイトでは「デビュー作とその後の転機となったアルバムを、あえてライブで再現する」という姿勢が語られています。

演奏のショットやサウンド面でも魅力的で、バンド・ヴォーカルのボビー「ブリッツ」エルズワースやベーシスト／リーダー.ヴァーニを中心としたステージング、ギタリストのデイヴ・リンスク／デレク・テイラー、ドラムスにはエディ・ガルシアが参加しており、実に引き締まった布陣でライヴに挑んでいます。ライヴ撮影・収録担当にはケヴィン・カスター監督が名を連ねており、録音はドイツ・ハイ・ゲイン・レコーディングが手掛けています。

ライヴが行われた地、オーバーハウゼンはバンドにとって記念すべき場所でもあり、30年前に同地域近郊で初の映像作品収録がなされていたという「偶然の縁」も語られています。 音質も映像も「きちんと収められたライブ作品」としてメタル・ファンから注目を集めており、ヴォーカルの掛け合いや観客との一体感も十分に味わえる内容です。

外観パッケージも充実しており、20ページにも及ぶフォトブックレットやダブル・フォールド・デジパック仕様という装丁面でもこだわりが感じられます。 一方、演奏内容については「アルバム再現ライブとして大変しっかりしている反面、曲の合間のアドリブやカバー、変則セットが少なく「アルバムそのままをステージで再現」という印象が強い」という声もあり、「ライブならではの即興性」を求める向きにはその点が好みを分けるかもしれません。

バンドの全盛期以降の活動を知る上でも、この作品は「成熟したスラッシュ・メタル・バンドが、キャリアを通して培った技術とエネルギーをライブという場で凝縮した」ものとして位置づけられます。特定のアルバムを再構築するライブ作品という点において、史料的価値も見込める選択です。音源・映像作品として「バンドの歴史をライブで眺め直す」には良い機会を提供してくれる内容です。

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