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完本白頭巾 月華の剣の参考買取価格
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義賊「白頭巾」を主人公に据えた一風変わった剣戟ロマンです。出版にあたって著者自身の加筆・修正を加えた「完本」版とされており、初出時からの愛読者のみならず新たな読者をも意識した構成といえます。
物語の舞台は江戸です。浪人の隼新三郎は昼は無名の浪人として生きつつ、夜には白装束を身に纏い、賄賂を奪う義賊「白頭巾」として暗躍します。藩主が権威と欲望に溺れ、民を蔑ろにすることを許せません。彼にとってこれは、讒言のため命を落とした父の仇を討ち、父の遺志を引き継ぐ行動でもあります。
ある夜、辻斬りの現場に遭遇した新三郎は、その下手人を追ううち、偶然居合わせた大名家の家臣・磯村伝八郎と対峙します。同時に、殺された番頭の息子という弱き存在に、自らの境遇を重ねて胸を痛めます。伝八郎と義賊との因縁、藩内の腐敗構造、そして父の無念が連鎖しながら、真相へとたどる道を紡いでいきます。
物語には剣戟シーンの描写がふんだんに盛り込まれており、戦いの緊張感と剣術の様子を活写する筆致が随所に光ります。加えて、江戸の市井や武家の内情、人情味や裏切り、弱者への共感と正義の行使というテーマが巧みに絡められています。義と私情、記憶と誇りといった内面の揺れ動きも丁寧に描写され、単なる立ち回り小説にとどまらない厚みを持たせています。
著者・小杉健治は1947年生まれです。1983年に「原島弁護士の処置」でデビューを果たし、その後も推理や時代ものを自在に往来する作家として知られています。過去に「絆」で日本推理作家協会賞を受賞し、「土俵を走る殺意」で吉川英治文学新人賞を獲得している実績を持っています。本書の「完本」の語が示す通り、既刊版の内容を再検討し、加筆・修正をほどこした最新版であることが明記されています。
登場人物間の対立構造、義賊としての矜持、父の名誉回復という動機、それを取り巻く藩内の陰謀・権力抗争が複雑に絡み合い、読者を飽きさせない構成となっている点が特に魅力です。他作品との直接的な関連性は確認できませんが、小杉作品に共通する人間の光と闇を見つめる視点が本作にも通底しています。時代小説ファン、剣戟アクション好き、また人情・正義の葛藤を好む読者にとって読み応えのある一冊と感じられます。
時代小説、歴史小説等の買取について
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