相撲BD、剣道専門書、ボクシングDVD等を即査定

プロレス史と観客の記憶をつなぐ深堀り誌として、ジャンボ鶴田没25年を中心テーマに据えた一冊です。本号は全112ページで構成され、2025年6月25日発行の初版本として刊行されています。

メイン特集は「ジャンボ鶴田 ―「若大将」が「怪物」になるまで―」という枠組みで、没後25年という節目を迎えた彼の人生と戦績を多角的に検証しています。渕正信や谷津嘉章といった鶴田の同時代者による証言インタビューを収録し、元実況アナウンサー・若林健治による思い出も綴られています。 対談企画として、全日本プロレスのレフェリー和田京平と、レスラー川田利明が鶴田との関係を振り返る場面が設けられています。さらに、本号では過激な興行演出で知られたプロモーター・新間寿を偲ぶ追悼座談会を前編に渡って展開し、清水勉／小林和朋／小佐野景浩らが舞台裏や人物像に迫ります。

鶴田と因縁のある人物たち、たとえばグラン浜田やザ・グレート・サスケについての回想コラムも序章中盤にかけて配置されています。女子プロレス界からの視点として、立野記代のインタビューでは全女の歴史や現場感を後編で語る構成が組まれています。 刊行スタイルとしては季刊誌フォーマットを採っており、3月・6月・9月・12月の末日に発売されています。本号では特に鶴田の技術・表現性・レスラーとしての理念を掘り下げようという編集姿勢が貫かれており、ただ伝記的に事実を列挙するだけでなく、関係者の証言と対談を通じて当時のマット界を活写しようとしています。昭和プロレス期に興味を持つ読者にとっては、鶴田という存在の「強さ」とは何かを再考させられる内容です。

一方で、「Ｇスピリッツ」は古今東西のマット界を扱う誌面構成が特色で、本号でも国内外プロレスの潮流を背景に据える企画が見られます。 本号は、ジャンボ鶴田という象徴的存在を通じて昭和期の全日本プロレスおよびマット界全体の構造や語られなかった裏側を浮かび上がらせるものとなっています。関係者の生の声を軸に配置しつつ、テーマ性を失わずに編集がなされている点が特色となっています。

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