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1985年に制作されたOVA作品「天使のたまご」のビジュアル資料を集大成したアートブックです。たまごを抱えた少女と彷徨う少年という、物語の断片ともいえる象徴的な構図が印象的な本作の世界観を余すところなく収録しています。

オリジナル版を起点に、2004年に発行された「増補改訂版」を基にした「復刻版」として刊行されます。2004年版では、天野喜孝氏によるイメージボードを約80ページにわたって増補しており、無数のラフや構想ヴィジュアルがそのまま収録されています。 「復刻版」とすることで、これら過去版の内容を可能な限り忠実に再現しており、当時手に入れられなかった資料を今あらためて見られる機会として位置づけられています。

内容構成として、まず作品世界の基盤となる「オリジナルイラスト」が収録されており、美術監督小林七郎や原画の名倉靖博らの手による荒廃した都市、巨大な卵、流線的なキャラクター造形といったヴィジュアルが高解像度で紹介されています。 続いて「フィルムメイキング」の章では、作画工程、設定画、背景資料、撮影指示書などが追体験できる形で掲載されており、静止画として作品の「時間」を構造化して見せる一冊です。さらに「天野喜孝イメージボード」では、当時収録できなかった未公開あるいは限定公開のイメージラフ・ボードが80ページにわたって展開され、その造形世界の迷宮性と多層的構図を視覚的に昇華しています。

造本仕様はA4判が採られており、紙質・印刷もオリジナル版のテイストを尊重しつつ復刻に際して再度見直されています。 また、2025年版の発売に合わせて、作品の4Kリマスター公開と連動しており、時代を経て改めてその芸術性・映像性・物語性が再評価されている背景があります。

本書を手に取ることで、「天使のたまご」という作品が持つ「謎めいた空気」「深層的なメタファー」「絵としての力」を、制作段階の資料やヴィジュアルで感じ取ることができます。映像だけでは観えづらかった「構図」「背景美術」「色彩設計」を、静止画としてじっくり眺めることが可能です。さらに制作陣の意図や設計意図も読み取れる編集がなされており、ファンだけでなくアニメーション・美術関係者にも示唆に富んだ資料性を帯びています。

図録、画集等の買取について

新たに販売されることが製造元から中止されることを絶版と言います。絶版になると、その商品が市場に流通しなくなります。また、一度絶版になると、再販されることはあまりありません。そのため商品の価値が、突然上がり出します。市場に出回っている供給量が少なければ少ないほど上がります。当店では供給量を適切に判断した上で査定を行っております。